彼女に美味しい人参を
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「佐藤さん。昨日は、ごめんなさい。」
「気にしなくていいよ。ちゃんと、眠れたか?」
「うん。目が覚めた時、頭も痛くなかったの。」
最近、朝から頭痛がすると言っていた彼女だが、今朝は大丈夫だったようだ。
すぐに鎮痛剤を飲むのを何とかやめさせたいのだが、痛みがひどくなってからだと効かないと言い張り、いつも言う事を聞かない。
でも、今日は飲まずに済んだようで、安心した。
笑顔の顔文字が復活した所を見ると、昨日よりは気持ちも落ち着いているようだ。
昼過ぎ、俺は彼女を農場デートに誘った。
「結美。来週、牛を見に行こうか。」
「牛?どーして、急に牛??」
「テレビでやってて、面白そうだったから。」
「佐藤さん、乳しぼりしたいの?」
「俺はしたくないよ。」
「うそうそー。佐藤さんなら、絶対やりたい筈!」
「俺は、結美以外の胸には興味が無い。」
「胸以外は、興味ないってこと?」
何故そうなるんだ。
そんな訳無いのに。
「他にも、鳥が沢山見られるみたいだよ。」
「ねね。胸以外、興味ないの?」
「そんな事無いよ。」
「じゃあ、その場所、調べておくね。」
モヤモヤがスッキリしたせいか、やっと話に乗ってきた彼女。
「お弁当、作ってもいい?」
「いいよ。」
返事を待たなくても、彼女の嬉しそうな笑顔が目に浮かんだ。
俺は目の前の人参を食べてから渋々腰を上げるタイプだが、彼女は人参をゲットする為に張り切るタイプ。
自然を満喫出来る農場デートが、彼女にとって美味しそうな人参になってくれるといいのだが。
「乳搾り頑張るんだよ、結美。」
「えーーー。私がやるの?出来るかなぁ?」
また、彼女の可愛い笑顔が浮かんだ。
「美味しいソフトクリームも食べような。」
「うん!」
そして、嬉しそうな笑顔も。
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